JKセライダー工法は、短繊維を混入した特殊アクリル樹脂「JKセライダー」と特殊アンカーピンで、タイル張り外壁を面で補強するタイル落下防止工法です。
アクリル樹脂だからこそ高い防水性と遮断性で外壁劣化を防止し、建物の長寿命化に貢献します。皮膜は無色透明で、タイル仕上げの高級な風合いをそのまま生かし、いつまでも美しく維持することができます。また、地震時においては外壁仕上げ材の剥落を防止するとともに、ひび割れの発生を抑制します。
機能・仕様
① 優れたタイル落下防止機能
特殊アンカーピンはせん断力が強く、また、特殊アクリル樹脂には短繊維が入っているので、一般の透明なアクリル樹脂に比べ、引っ張りは2倍、引き裂きは7倍の強度があります。強力に外壁仕上材の落下を防止する、画期的工法です。
東日本大震災・熊本地震で剥落事故は1件も発生しませんでした。
(ALC版・押出し成形版にも威力を発揮します)
※この試験は、日本樹脂施工協同組合が、平成14年度及び平成18年度事業の一環として工学院大学で行った実験の結果です。
② 耐久性の向上
タイル張り仕上げの場合は、一般的にタイルと目地材で相持ちするといわれていますが、その目地材を強固にし、タイル面の耐久性を向上させます。
目地部分もしっかり補強されているので、丸めてもJKセライダーがタイルを固定。
③ 無色透明の仕上り
JKセライダーの塗膜は無色透明でタイル仕上げの高級な風合いをそのまま活かし、いつまでも美しく維持することができます。
乾燥後は無色透明になり、化粧キャップでピンの跡も見えにくくなります。
特許・評定
特許、(財)ベターリビングの評定取得
JKセライダー工法は、施工業者の視点で開発した当組合のオリジナル工法であり、学識経験者の指導を仰ぎ、厳しい試験を重ね特許を取得しています(発明の名称:既存仕上げ壁の落下防止構造及び落下防止工法・特許第4289627号)。また、財団法人ベターリビングの評定も取得し(複合補修層の補強効果確認試験「面外曲げ」含む5項目・平成21年3月)、外壁タイルの補修技術として、UR都市機構が定める品質基準に適合しています。
性能試験
JKセライダー工法は20年以上剥落防止性能を維持します
JKセライダーは、10年に相当するキセノン耐久性試験2,000時間の照射及び、
照射2,000時間後に補修し、さらに2,000時間照射した結果、
いずれも塗膜の性能は良好であることが実証されました。
試験内容 | |
---|---|
試験方法 | キセノンアーク光源による耐久性試験 (一般財団法人 日本塗料検査協会) |
試 験 体 | 50角タイル(白・ベージュ・茶)にJKセライダーを塗布 トップは艶有と半艶の2種類 |
照射方法 | ①2,000(h)・②4,000(h)・③5,000(h) 連続照射 ④2,000(h)連続照射後に補修し、さらに2,000(h)連続照射 |
補修方法 | ①JKトップ 塗布 ②JKシーラー+JKコート+JKトップ 塗布 ③JKシーラー+JKセライダー+JKトップ 塗布 |
測定内容 | ①外観 ②色差 ③光沢保持率 ④付着強度 ⑤引張強度・伸び |
試験結果 | |
---|---|
①外観 | 異常は認められない |
②色差 | ⊿Eは3以下で、ほとんど変化なし (肉眼で確認できない程度) |
③光沢保持率 | JIS A 6909に規定する耐候形1種の要求性能と同等以上の品質保持 |
④付着強度 | 時間の経過とともに増大するが、2,000時間後に補修したものは①トップ塗布を除き、初期値に回復 |
⑤引張強度・伸び | 時間の経過とともに増大するが、2,000時間後に補修したものは初期値に近づく |
注入口付特殊アンカーピンの強度
SJK | DB | 破壊状態 | |
---|---|---|---|
引抜強度(kN) | 2.91 | 2.84 | ピン抜け |
頭抜強度(kN) | 3.71 | 4.55 | ピン抜け |
せん断強度(kN) | 3.68 | 5.36 | ピン抜け |
JKセライダーの物性
試験項目 | 試験結果 | 試験規格等 | ||
---|---|---|---|---|
低温安定性 | 異常なし | 堅い塊がなく均一になること | JIS A 6909建築用 仕上塗材の 試験方法に準拠 |
|
付着強さ | タイル下地 | 2.0N/mm2 | 0.7N/mm2 | |
モルタル下地 | 1.9N/mm2 | |||
温冷繰り返し作用に対する抵抗性 | 異常なし | ひび割れ・ふくれ・はがれ等のないこと | ||
透水性 | 0.0ml | 0.5ml以下 | ||
耐衝撃性 | 異常なし | ひび割れ・はがれ等のないこと | ||
促進耐候性 | 異常なし | 変色・ひび割れ・はがれ等のないこと | ||
強伸度 | 伸長性 | 40% | テストスピード200mm/min | JIS A 6021建築用 塗膜防水材の 試験方法に準拠 |
引張強度 | 13.8N/mm2 | テストスピード200mm/min | ||
引裂強度 | 43.3N/mm | テストスピード200mm/min | ||
面外曲げ試験 | 強度 | 2180N | 幅300mmの試験体にJKセライダーを塗装し、塗膜面を外側になるように折り曲げ、そのときの最大強度と破断までの変位置を測定した | |
変位置 | 14.3mm |
※特殊アンカーピン・JKセライダーとも(独)都市再生機構が平成23年にまとめた『機材及び工法の品質判定基準(保共仕版)』を満たしています。
仕様・施工法
JKセライダー
工法の施工
JKセライダー標準仕様(剥落防止保証10年)
材料名 | 無希 | 塗付け量 (kg/m2) |
塗り回数 | 工程時間 (時間) |
塗布方法 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 下塗り | JKシーラー | 無希釈 | 0.1~0.15 | 1 | 3以上24以内 | ローラー塗り 吹き付け塗り |
2 | 中塗り | JKセライダー | 無希釈 | 0.4(1回目) 0.3~0.4(2回目) |
2 | 24以上72以内 | ゴムへら塗り ローラー塗り 吹き付け塗り |
3 | 上塗り | JKトップ | 無希釈 | 0.1~0.15(1回目) 0.1~0.15(2回目) |
2 | 24以内 (最終養生) |
ローラー塗り 吹き付け塗り |
JKセライダー防水仕様(剥落防止+防水保証10年)
材料名 | 無希 | 塗付け量 (kg/m2) |
塗り回数 | 工程時間 (時間) |
塗布方法 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 下塗り | JKシーラー | 無希釈 | 0.1~0.15 | 1 | 3以上24以内 | ローラー塗り 吹き付け塗り |
2 | 中塗り (1) |
JKセライダー | 無希釈 | 0.4(1回目) 0.3~0.4(2回目) |
2 | 24以上72以内 | ゴムへら塗り ローラー塗り 吹き付け塗り |
3 | 中塗り (2) |
JKコート | 無希釈 | 0.3~0.5 | 1 | 24以上168以内 | ゴムへら塗り ローラー塗り 吹き付け塗り |
4 | 上塗り | JKトップ | 無希釈 | 0.1~0.15(1回目) 0.1~0.15(2回目) |
2 | 24以内 (最終養生) |
ローラー塗り 吹き付け塗り |
アフターケア
信頼の共同保証制度と万全のアフターケア
安心の責任施工体制
JKセライダー工法は、当組合と施工した組合員による共同保証制度(タイル剥落防止保証・最長10年)を設けております。保証期間内は3・5・7年経過時の定期点検及び10年点検(有償)、また、震災時等緊急時の点検も実施します。
施工や点検にあたっては、研修を修了したJKセライダーライセンス取得者が実施します。10年目点検時には、さらに10年剥落防止性能の延長を見据えた各種点検・試験を実施し、施工後も安心の責任施工体制です。
保証延長制度
努力・研究の積み重ねにより確立された保証延長制度
いつまでも変わらない安心を
10年目点検時(有償)には通常の調査診断に加え、塗膜の接着強度、引張強度等の測定を実施。試験結果により、段階的に保証延長のための補修、改修方法を選定させていただきます。
組合及び組合員の努力・研究の積み重ねにより確立された保証延長制度で、タイル張り外壁の美しさをそのままに、さらに10年、外壁タイルの剥落防止を保証します。
レベル | 補修方法 | 使用材料 | 塗布回数 | |
---|---|---|---|---|
レベルⅠ | a | 主材層の塗り増し | 塗替用JKシーラー | 1回 |
JKコート | 1回 | |||
JKトップ | 2回 | |||
b | 主材層の塗り増し | 塗替用JKシーラー | 1回 | |
JKセライダー | 1回 | |||
JKトップ | 2回 | |||
レベルⅡ | 不具合部分の補修 (剥離以外) |
塗替用JKシーラー | 1回 | |
JKセライダー | 1回 | |||
JKトップ | 2回 | |||
不具合部分の補修 (部分剥離) |
JKシーラー | 1回 | ||
JKセライダー | 2回 | |||
JKトップ | 2回 | |||
レベルⅢ | 塗膜の全面剥離 | JKシーラー | 1回 | |
JKセライダー | 2回 | |||
JKトップ | 2回 |